絶対に起きない時間に目が覚めた。
1時間以上早い。眠りが浅い。
頭の中にここ数年の亡くなった人の顔が次々浮かんでくる。
朝からなんなんだ。
寝れねー。
あいつらのせいだな、まったく!
私の精神がたまたま頑丈だからよかったものの、おかしな頃なら気が狂ってるぞ。
おとなしい人とか後輩は言い返すの無理だと思う。
こんなことばっかり起こってたんじゃ「この会社やだなー」ってどんどん辞めていくぞ。
昔からの同期はたくさん残ってるのに諦めて何も言わなくなっている。これじゃ言わなくなるよなー、本当にめんどくさいもん。あいつ呼ばわりされるわけだよ。
目が冴えてしまい、もう寝るのは無理そう。
諦めて洗濯することに。
この間夏物を洗濯したのですが、白物衣料が黄ばんでいた。洗っても取れなかった。
休みになったらこの黄ばみを取ろうと思っていた。
早めに起きたし時間はたっぷり。つけ置きするのにちょうどいい。
洗面所にお湯を張り、衣類のプレケア(塗るタイプ)をあえて塗らずにドボドボ入れる。
その中に衣類を漬ける。しばらくしたら洗濯機へ入れて他の物と一緒に洗う。
昔は丁寧にぬりぬりして綺麗にしてたんだけど、塗った場所だけ綺麗になって境目がくっきり。高圧洗浄機みたいなことになった。それは嫌なのでこの方法になった。幅広く布全体を漬けられるし便利です。
はい、綺麗になったー。
父がズボンの裾上げをしてくれと言う。
3日前から言われている。
億劫。
やらないので毎日言われる。
毎日毎日うるさいなー。
やってって言ってその日にすぐやってもらえると思うな。
こっちにも都合があるんだから。
母も毎日言われてるようでうっとうしいらしい。
「私がアイロンがけするからやってよー。」
アイロンかけて部屋まで持ってきた。
はいはい、分かった分かった。
都合よくちょうどいい色のミシン糸があると思うなよ。
ありそうだな。
白い糸にすべきか。
本当は暗い色のほうが目立たないんだよな。
薄い青がないからグレーにしてみよう。
最近のズボンは伸縮性がある。おそらくポリウレタンが入ってる。伸縮性のない物を探すほうが難しいかもしれない。
ミシンかけるとよれるんだよね。
そういえば衣料品担当の人がロッカーで話していた。伸縮性のあるものの裾上げは500円余分にかかるらしい。「でもさ、最近のって伸縮性のあるものしかないじゃん、どうなんだろうね、それって」とか話していた。こういうことか。
はい、できた。
思ってる以上にミシン糸が目立っている。
白にすべきだったか。
まあいいや。
嫌なら自分でやればいい。
グレーのズボンも同じ色の糸です。
同じ色にするのは大事だね。
父に渡す。
「はいよー。」
「ありがとう。」
「ミシンなんて5分でできちゃうけど、裾上げって長さ測って、切って、アイロンかけて、縫うまでがめんどくさいよね。」
「本当にそれ!」
母同意。
「お母さんにもありがとう言いなさいよ!」
「そうだよ、私にありがとうは?」
都合の悪いことは耳が聞こえない。
無言。
結局母にはありがとうを言わなかった。
母と父の悪口を言った。