死なないから生きていく

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傘を間違えて持って帰ったら1000円取られた話

※わかりやすいように苗字が出てきますが、出てくる名前はすべて仮名です。

仲のいい同僚が休憩室で休憩していると別の部署の人たちが後ろで話をしていて、その話が耳に入ってきた。

「間違えて傘を持ち帰ったら1000円取られちゃったよ。」「こわー。」

という話をしていたらしい。

 

私はその日は休みでいなかった。

なぜ教えてくれたかと言うと私の嫌いな川西さんの話だったから。

川西さんは前にいた部署の時のパワハラヒステリック人間でみんなから嫌われていた。

 

後ろの席で話してたので詳しくはわからない。

間違えて傘を持って帰ったら川西さんに1000円取られたっていうことみたいだった。

 

あいつ性格が悪いからな。そんなことまでするのか。悪行三昧だな。

 

「でもさー、間違えて傘を持ち帰るのはあるにしても、どうやって1000円取る話まで持っていけるんだろうね?」

「経緯が知りたいよね。」

「そうだよねー。気になるね。私聞いてみようか。」

「私も探りを入れてこよう。」

などと会話。

 

次の日。

 

休憩中に用があって化粧品売り場に向かっていたところ、近くに正社員の方がいた。

あの話を思い出した。その噂の部署だったから。

すごい仲良くはないけど、話しかけて雑談することはできる。

 

近くをうろうろ。躊躇する。どうでもいい話だよな。聞いていいかなー?

思い切って話しかける。

「お疲れ様でーす。急にあれなんですけど、、これこれこういう話があるんだけど、何か知ってます?」

 

「知らなーい。」

首を振る。

知らないのか。残念。

 

「間違って傘持って帰ったら1000円取られたの?」

「休憩中に後ろの席でそういう話してたって言ってたよ。」

 

「その話か分からないけど、こういう話があって、、」

聞けば、ある人が雨の日に車で水たまりをはねちゃった。泥はねされた人が車を追いかけてきて文句を言ってきた。次の日、その人は売り場まで怒鳴り込みに来た。

菓子折りとクリーニング代の1000円を渡したとのこと。

 

「ああ!同じ1000円だねー。1000円の話なんて被らないだろうから聞いたのその話だったのかな~?なんかの話と混ざっちゃったのかも。」

「そうかもねー。同じ1000円だしね。」

なんだー。がっかり。

 

こっちの話のほうが信ぴょう性がある。

そうだよね、傘を間違えて持って帰っただけで1000円取らないよね。いくら何でもそんなことやらなかったか。

 

「いや、違ってたら別にいいんだけど。私、川西さんが嫌いだから情報収集に来たんだよ。違かったかー。」

「色々あるみたいだよねー、あの人。」「あの人のせいで辞めるって言ってた人がいたみたいじゃん、やっぱりさー、、」「…」「…」と、ひとしきり噂話をする。

彼女はいろいろあって前いた部署から異動しています。やはりこの部署でも嫌われてる。人はなかなか変わらない。

 

話は終わったんだけど、なんとなーく、

「その話だとは思うけど、あれならちょっと探り入れてみてよ。」

って言ってみた。

「聞いてみるよ。」って。

 

その日のうちに仲いい同僚に、聞いたけどこういう話だったみたいよーって報告する。

「あーそうなのかなー、聞き間違えちゃった?」

間違えたことを顔を真っ赤にして恥ずかしそうに笑っていた。

そうだよねー間違えて持って帰っただけで1000円はさすがに取らないよねーって会話をする。

 

夕方過ぎ。

 

売り上げを事務所に持っていったらさっきの正社員の人がいた。

私にそっと近づいて耳打ちしてきた。

「聞いてきたよ。」

ええ、はやっ!

 

「逆の話みたいよ。」

「逆??」

「川西さんが1000円取られたんだって。」

「ええ!?」

 

「斎藤さんって人に。」

斉藤さん?

 

ロッカーは小さな個人ロッカーが1人に1つある。それとコートなどをかける用に大きいロッカーは数人で使う。長めの傘をひっかけられるスペースがあり置き傘とか置いている人もいる。

川西さんはロッカーに入れてあった傘を持って帰った。

次の日に貼り紙が貼られていた。『私の傘知りませんか?斎藤』

斎藤さんと川西さんは同じロッカー。間違えて持って帰ったことに気付き、次の日持ってきた。

「こんなに汚れてなかった。」といちゃもんをつけられたらしい。それで1000円取られたんだって。

 

「間違えて持って帰ったってそんなにすぐ汚れないよね?」

「こんなに曲がってなかったとか、ここもこんなに汚くなかったとかって。じゃあ1000円払うよってなって1000円払ったみたい。」

「えぇ!うかうか間違って傘持って帰れないね。」

 

近くにちょうど仲のいい同僚がいたので、会話に迎えいれて恐怖におののく。

「斎藤さんってそんな人なんだ―。」「こわいねー斎藤さんって。」「ねー。」

盛り上がって雑談が終わる。

 

仕事しつつ斎藤さんについて考える。

 

斎藤さんってそんなに悪いイメージないけどな。

私が辞めた後にその部署に入った年上女性。あんまり印象がないけど悪いイメージもない。ん~そんな人だったかなー?

 

ちょうどレジに入らない仕事をしてたら、目の前を元同僚が通り過ぎていった。斎藤さんのことも詳しいはずだ。

「あっ!ねえねえ。」呼び止める。

 

「斎藤さんって怖い人なの?」

「え!?怖くないよ。急に?なんで?」

「川西傘事件、知ってる?」

説明がめんどくさいので勝手にネーミングをつけた。

 

「あー、あの話ね。」

「川西さん1000円取られたんだって?」

 

「違う違う。話が。」

元同僚は笑いながら手を横に振る。

え?

 

買ったばかりの新しい傘をロッカーに入れておいた斎藤さん。気付いたら傘がなくなっていた。仕方なく貼り紙を貼る。

川西さんが持ってきてくれたけど明らかに使い古した傘を持ってきた。

これは私の傘じゃない。買ったばかりの傘だから間違えるはずがない。

何度も「私の傘じゃない。」と言っても聞いてもらえず。

最終的に「1000円払えばいいんでしょ!」って1000円押し付けられたんだって。

「しかも1000円以上する高い傘だったらしいよー。」

 

おいおい、聞いた話と全然違うじゃん。

 

しかし先ほど正社員の人が聞いてきた話より私はこちらを信じる。

私の見解。川西さんは極悪人で斎藤さんはいい人。

間違いない。日頃の彼女の行いを見て言っている。

 

これは裁判員裁判レベルです。二転三転してるな。

1つを鵜呑みにしてはならない。

無罪の人が有罪になる所だった。あぶない。

 

これは大変だ。

仲のいい同僚を捕まえてさっきの話の訂正をする。

「ええ!?全然違う話じゃん!」「ねー。」

やっぱり川西さんは怖い人間だったね。

 

閉店時間になった。

 

お金をあげに事務所に言ったらちょうどさっきの元同僚がいた。

何を言うでもなく微笑みながら目を合わせ笑顔で会釈する。さっきの会話をありがとうという顔で。

 

目の前に斎藤さんが!

 

「あっ!斎藤さん!」

 

「はい?」

「川西傘事件の話聞かせて!」

「えー…」

急に話しかけられてびっくりしている。

なんとなく話したくなさそう。斎藤さんは穏やかである。

 

「傘を持って帰られて1000円押し付けられたんでしょ?私ねー川西さんが嫌いだから話聞きたいのよ。ねーいいじゃん。」

ごねる。

「そう?じゃあ…」

話してくれるようです。

「じゃあ、こっちこっち、こっち来て。」

強引に端っこのほうへ誘導。

さっきとは一転。聞いて欲しかったようです。

 

大体はさっき聞いた話と同じ内容だった。

 

違ったところは1000円以上した傘かどうかは覚えていないとのこと。尾ひれがつくとはこのことだ。

「何度も私の傘じゃないって言ってるのに全然聞いてくれなくて。家にあるのはこれしかないから、これだから!って。「わかった1000円払えばいいんでしょ!」って。もー怖くて!」

「私昔から気に入った傘が見つからなくて、小さい手だから持ち手が何を買っても合わないの。それで、ようやく小さい持ち手で気に入ったのを見つけたの!1回か2回くらいしかまだ使ってなくて。買ったばっかりだから間違えないと思う。持ってきた傘は絶対に私のじゃない、私はシールとか貼ってないし。」

 

やっぱりねー、川西さんは怖い人だった。

 

間違えて持って帰った傘の人に「私の傘じゃない。」って言われたら。

私だったらもう一回家に帰って確認するかな。だって自分が間違えたんだから。

でも自分の傘じゃないってわからないかなー?

「娘の傘と間違えた」って言ってたって。ふ~ん。

 

斎藤さんはこの事件が起きてからロッカーを別の所に変えてもらったらしい。

よっぽど怖かったみたい。

 

 

今回の一番怖いポイント。

 

川西さんはその日、傘を持ってきていない。

 

何で持って帰ったの??

 

 

数日をかけて書きました。

長々読んでくださりありがとうございました。

 

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