闇に落ち気力がない頃。
横になってばかりで動かなかった。
お風呂に入らなかった。
正確にいうと入れなかった。
入らなくちゃいけないと思うだけで心が辛かった。動きたくなかった。
これは言葉には表せない。
それでも2日~1週間くらいのスパンで渋々シャワーを浴びていた。
親が「臭い」と言うから。
入るのにものすごい労力がいった。しんどかった。
立つのがとてもしんどかった。座りながらいちいち休憩しながら入った。
シャワーしか浴びないのに頭を洗うのに1時間くらいかかった。
そんな生活をしていたある日、右足の親指がめっちゃ痛くなった。
痛い痛い痛い!なに?なに!?
サイズの小さい靴をずっと履いていたかのような。何か刺さってるような。
右足を確認してみたけどなんともなってない。
とりあえず痛い所をもみもみした。
しばらく経ち、その爪が伸びていないことに気付いた。
爪の色が黄ばんでいた。
両足の爪もなんとなく全部黄ばんでるように見えた。
爪の色が変わるのは水虫のサイン。(のはず。)
でもそんなことはどうでもよかった。
どうせ死ぬのだから。
生えてこようが生えてこなかろうがどうでもよかった。このまま死ぬ。
痛いのは時折続いていた。
爪の付け根の皮膚が盛り上がっていた。伸びる方向とは逆に生えていってるのではないか。
爪の左側がくぼみ、右方向に曲がっていた。
他の爪は切っていたけどそこだけは切ることはなかった。
ちょっとだけ頭が戻ってきた。
仕事するようになった。
お風呂に入るようになった。
爪が伸びてきた。
とりあえず水虫用の薬を買ってきてつけてみた。
どっちが先だったか覚えていない。
爪の付け根がこんもりしたまま伸びていった。分厚い。
やっぱり皮膚の中で伸びようとしていたようだ。
右に曲がった変な形のまま伸びていく。
ちゃんとした足に戻るのかちょっと不安だった。
でもまぁ、生きてるなって思った。
それから1年以上経って。
ようやく足の爪がちゃんとした形に戻りました。
生きていますねー。
ちなみにですけど今でもちょっとお風呂に入るのは苦手。
酒のつまみになる話を見たのですが、柏木由紀さんほどではないです。
昔は長風呂派で1時間以上入っては長すぎるって怒られたりしてたけどなー。