死なないから生きていく

どうやったら楽しく生きれるかなーって思ってる人のブログです

犬が亡くなった次の日

朝。

物音がして目が覚める。起きる時間より1時間早かった。

物音がしたらすぐに犬のところに駆け付けられるようになっていた。もういないってわかってる。しかしぱっちり目が覚めてしまった。起きる。

 

「いなり、おはよう。」

自然に声をかけたんだけど、声をかけたら涙が出た。

昨日泣いて落ち着いたと思ってたのに。終わってないんだな。

 

水入れを見る。もう取り換えなくていいんだ。

 

ごはん置き。

ごはん。もう用意しなくていいんだ。小分けにしたお肉を温めなくていいんだ。

いつものルーティンが体に染みついている。

 

いつも小分けにして冷凍するトッピングのお肉。この間改良して食べやすい様に寒天の粉を加えてみた。『おくすり飲めたね』みたいな感じにしようと思って。いい感じに固まった。温めたらさらさらになった。失敗。

今度はおかゆを混ぜてみようと思ってささみとレバーと一緒に混ぜた。いい感じ。死ぬ2日前に大量に作った。いつもの小分け容器に入りきらなくて大き目のタッパにまとめて入れた。次作る時に繰り越そうと思っていた。

もういらない。

 

昨日は本来の休みじゃなかった。

同僚が休みを変わってくれって言ってきて変わったのだった。変わってくれてよかった。のか。

亡くなる前の日に友人に車中泊の話をして写真を見せて「かわいいでしょー!最近ほんとにますますかわいいんだよ!」と力説したばっかりだった。

 

仕事に行くわ。

「仕事行きたくないけどいなりのごはんを稼ぐために頑張るな。」ってなでなでして出かけられない。

 

当たり前だけど仕事中はいつもいないので通常営業。

 

犬が亡くなったことを知った人が声をかけてきてくれて泣いてくれた。

みんな私が犬を溺愛していることを知っているのです。

 

以前ワンちゃんを買っていて亡くした同僚と話をする。1か月看病したらしい。大きめの犬だったので亡くなったときは自宅に火葬車を呼んで焼いてもらったらしい。そして庭に埋めたんだって。

私も庭に埋めようと思ってる。お墓に入れたくない。家の近くにいてほしい。

骨壺に入れて49日過ぎたら骨壺を割ってお骨を庭に埋めたんだって。割った骨壺はゴミへ。

そうか!帰ってきたらすぐに埋めようと思ってたんだけどすぐには埋めないほうがいいよね。49日置いておこう。骨壺買おうかな。

 

普通に仕事できてると思ってた。

ぼーっとしてて数回ミスをしました。今日は集中力がない。

 

休憩中にスマホで骨壺を探す。

やっぱりすぐにゴミになるものはいらないかな。埋めたら土に還る骨壺とかないのかな。たっか!無理だな。

大きさがわからない。焼いてもらったあとに選んだほうがいいな。後にしよう。

 

仕事が終わって、さあ帰るぞって時に『犬に会える!帰るよー。』って浮ついた感情が沸き上がってくるんだけど、あ、いないんだなって思った。

 

「ただいまー」

ああ、いないんだなって思った。

 

通り過ぎる度にかわいいねーって話しかけていた。

「目もかわいいし、頭の形もかわいいし、耳もかわいいし、足もかわいいし肉球もかわいい。お尻ももちもちだし尻尾もふさふさでかわいい!!」となでくりまわしていた。またか…って顔をしていた。ふふふ。

もう話しかける相手がいない。これから口数が少なくなりそうです。

 

とにかく何をしててもいないんだなって思った。

 

犬はここにいるんだけどいない。

やっぱり生きているのがいなりなんだよね。

 

他部署の同僚が「魂が抜けちゃってるから。」って言ってたけどなんかそんな言葉じゃないんだ。いなりはいなりなんだよ。いなりはいない。

 

 

遺影を選ばないと。

もうめんどくさいから用意しなくていいかと思ったけどやっぱりあったほうがいいかな。

 

私のカメラは犬しか撮っていない専用カメラ。

ブログ用に風景も取るけど基本使用したら消す。なので犬しか映っていない。

そんなSDカードが9枚あります。合計38GB。

いい写真を探すの億劫。

 

もうカメラも使わなくなるな。

 

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