職場には従業員の荷物置き場がある。従業員が買い物した物を置く場所。
休憩室とロッカーまで遠いのでお弁当なんかも置いてある。ほぼ私物置き場となっている。
出勤しお弁当を買い物置き場に置く。
いつもよりお弁当を持ってきてる人が多くてぎっしりだった。
※写真はイメージです
出勤してしばらくしたのち、喉が渇いたので水筒の水を飲みに行った。
お弁当バッグの見た目がおかしい。
なにこれ!!?
落とされたな、これは。
たくさん置いてあるのでこういうこともあるだろう。
水筒だけ置いた時にも落とされたことがある。傷がついた。
水筒はさらにへこんでいた。もー。気に入ってたのに。
しかし、この戻し方はないんじゃない?ぐしゃっと乱雑に入れてある。
スープのポットも水筒も横たわっている。お箸セットも開いたまま放り込まれている。
もったくもう、なんなんだよ。
整理。
あれ?箸セットの蓋がない。
あれ?箸もないけど?えぇ!??
近くを捜索。
見当たらない。ないはずないじゃん。でも見渡してもない。
埃まみれの棚の下も覗いてみる。手が入るか入らないか、薄い隙間の棚の下にそれっぽいものが。これかな~?
這いつくばって手を突っ込んで引っ張り出す。私も埃まみれ。
落としっぱなし????
気付かないわけないでしょ、信じられない。
腹を立ててると警備員さんが通りかかった。
勢いに任せて「落とされたんですよ。信じられない!見てください、ひどいんですよ。誰が落としたか見てません?」と愚痴をこぼす。
「防犯カメラがあるから見てあげようか?」「えー!いいんですか、お願いします。」
落としたのは仕方ない。しかし落とした人に一言だけ言いたい。落としっぱなしにしないでほしいと。
仕事なので一旦レジに戻る。「すみません、あとで来ます。」
休憩時間になり警備員さんの所へ向かう。
「遅くなりました、犯人わかりました?」
「わかったよ。」「誰でした?」
口頭で教えてくれない。防犯カメラのある所へ歩いて行く。
見てって感じで巻き戻して再生し始めた。
「わざとじゃないと思うよ。」「まぁそれはそうですよ。」
一部始終を見ていて、たまたま居合わせた別部署の同僚も一緒に立ち合う。
人が歩いて行ったり、水筒を飲みに来たり。入れ替わり立ち代わり人が映る。
1人の従業員がお弁当置き場に来た。
奥にある自分の水筒を誰かと会話しながらよそ見して手に取った。その際に私のお弁当バッグが引っかかって床へ落ちた。
めちゃめちゃ慌てていて、散らばったお弁当たちをバッグにガシャガシャっと放り込んだ。
犯人はわかった。
「ちょっと一言言いに行ってきます。」
一緒に見ていた別部署の同僚が「見つかったんでしょ?もういいじゃない。」と言う。「お弁当バッグにチャックついてないの?だからバラバラになっちゃうんだよ。」とか「そんなに落とされたくないなら一番上に置いたらどう?こことか。」とか軽く言ってくる。
そういう問題じゃない!
「私が悪いってこと?おかしくない?箸がここの下に落ちてたんだよ、埃まみれなんだよ!」「見つかったんでしょ。もういいじゃない。」
「落としても拾ってくれないのに!?」「気付かなかったんじゃないの?」
激おこです。
腹が立ちすぎて呼吸が荒くなる。怒りが収まらない。
怒りっぽい私がこの状態で本人に伝えに行くともっとややこしくなりそう。
でも何か言いたい。でも行ったらケンカになりそう。もう諦めるしかないのか。どうしたらいいんだろう。
仲のいい正社員の同僚に一部始終を話しに行く。
「私の性格上、このままにしたらずっと根に持つと思うんだよ。事が起きた時に解決しないとずっと嫌いになっちゃいそう。でもこのテンションで行くとな~、カッとなってるからなー。」
彼女は落とした本人と同じ部署。「私がやんわり言ってあげようか?」
伝えてもらうのはいいけど何もしないで誰かに何かしてもらうのはどうなのか。上から言ってもらうって告げ口っぽい。私は直接本人に言いたいタイプ。人を介するとややこしくなる。
でもなーでもなー。もじもじ。もじもじ。悩みに悩む。
「落ち着いてから直接言おうかな。やめとく。自分で言うよ。」
はぁー。溜息。最近いいことないな。あーあ。
お箸セットの蓋が元に戻らない。硬くて元に戻らない。もーなんなんだよ。
仲いい同僚と休憩を一緒に取る。一部始終を話す。
「なんでいつもこんなに怒ってるんだろう…。お弁当落とされただけでさー、疲れる…。」頭を抱える。
「だぶん落とされたことに怒ってるんじゃなくて○○さんに言われたことに怒ってるんじゃない?チャックがついてないからだとか言われたことに。」
そうか!私はさっき言われた言葉に怒ってるのか。なるほど。
休憩終了間際。
仲のいい正社員の同僚をパソコン室で見かける。
「私じゃ戻らない~、直してー。」と箸セットを見せて甘える。試してみるけどやっぱり硬い。これはもう誰にも直せない。買うか。
とかやってたら、落とした本人がお疲れ様でーすと部屋に入ってきた。
ふぁ!!
呼吸が止まる。
仲いい正社員の同僚がすっと声をかけた。
「ねぇ○○さん、さっきお弁当落とした?」
「そうなんですよー、誰のかわからなくてー。」
「三杉ちゃんのなの。」お弁当を指さす。
「これです、私のです。」持ち上げて見せる。
「わー!本当!?
ごめんごめんごめーん!!!本当にごめん!!」
慌てふためいて平謝りしてくれた。
わぁぁーよかったぁー!!
。゚(゚´Д`゚)。
「謝ってくれてありがとう!」
「こちらこそ本当にごめんねー!!」
抱きしめあう。
和解。
水筒がこんなにへこんでるんだよ、とか箸がバラバラで下に落ちてたんだよとか言った。私の悪い所はこういうとこだと思うけども言いたかった。
弁償するよと言ってくれたけど「大丈夫、過去にも落とされてるから。」って言った。
硬かった箸セットを元に戻してくれた。ありがとう。
戻し方がバラバラでぐちゃぐちゃだったのは気にしないそういう性格の人だったからだった。わざとじゃなかった。
よかったよかった。
さっき、チャックがついてないからだって言った同僚に遭遇。
同僚と笑いながら、こんなことがさっきあったんだよって言ってるので、カッとなり『私は落とされたことよりもこういう言い方をしたあなたに腹を立てています!』と伝える。
慌てふためいて「ごめんごめん、悪かったね。」と何度も謝ってもらう。
ちょっと怒りが収まってなかったので許しきれないままその場を離れる。
その後また遭遇し謝ってもらう。おろおろしている。
怒りがまだ収まってないけどこの怒りは更年期かもしれない。腹が立ってるのはこの人のせいじゃないかもしれない。
「私もごめんね、これで終わりにしよう。もういいにしよう。」
握手して握りしめあった。
平和が訪れた。
怒り過ぎたのでしばらくちょっと気まずかった。
最近怒りすぎているので婦人科いきたいなとか思っています。